「石橋湛山の65日」

 

石橋湛山に関する本は、Kindle本も含め数冊持っているのですが、なかなか通読できておらず、新しく出たこれをまず読んでみようと思い、通読してみました。石橋の戦後の歩み、首相への道のりが丹念にたどられていて、よく語られる言論人とは別の、正統人としての石橋の姿がよくわかります。

政争の中で公職追放になったり、首相にはなったものの病気のため在任僅かで退陣せざるを得なかったりと、石橋の政治家としての歩みは順風満帆なものではありませんでした。しかし、軍国主義に抗し、膨張主義を戒め小日本主義を唱え、戦後もGHQ、米国の言いなりにはなろうとせず日本独自の国益を考え続けた先見の明、勇気あるその姿、思想は、日本がどのような状態になっても、あるべき日本を指し示す松明のような存在として、今後も燃え上がり続け、我々を導き続けるだろうということを、通読して強く感じるものがありました。

 

「平沼騏一郎 検事総長、首相からA級戦犯へ」

 

昭和史関係の本を読んでいると、平沼騏一郎の名前は端々に出てきて、最も前面に出てくるのは、ドイツがソ連との間で突如として不可侵条約を締結し、日独伊三国同盟体制に冷水を浴びせかけられた状態に陥って、欧州の情勢は複雑怪奇とコメントして首相を辞任した場面です。

司法官出身であり、私自身の経歴と重複するところもあるので、前々から興味を感じてはいたのですが、この評伝が出たので、早速、読んでみました。史料に基づき丹念にその生涯を追っていて、読むのに少々くたびれましたが、読んで良かったと思える1冊でした。

通読して、まず感じたのは、平沼が、政官界の疑獄捜査で主導権を握りつつ検察権の強化へと進めた、今日の「検察官司法」とも評されるスタイルを形成した大元の立役者であったことでした。政治家として論じられる前に、そのような側面には大きく目が向けられる必要があるでしょう。

それとともに平沼は、国家主義団体である国本社を創設し、政官界、軍部と幅広い人脈を築きつつ、次第に、司法官から政界へと進出して首相にまで登り詰めていて、そういった政治家への歩みにも、司法官には異色なものがあり、興味深いものを感じました。

ただ、国本社の性格については、組織としての活動と、実際の平沼の思想(超国家主義的なものではなく西洋に対する東洋、日本の独自性を重視する比較的穏健なもの)には齟齬もあったようで、一時は会員が10万人に達したという国本社の実態には、さらに検討すべきものがあるように感じられました。

平沼の係累は、戦後も政界で活動して今に至っていて、それも含めて考えると、その息長い政治力には驚嘆すべきものがあります。国本社を足掛かりに政界へと飛躍していく手法には、現代のポピュリズムに通じるものも感じられ、様々な面で興味深い人物であると思いました。

 

 

 

 

 

 

小室圭さん、司法試験不合格「カマラ・ハリスも落ちた」は”プラス材料”になる?

小室圭さん、司法試験不合格「カマラ・ハリスも落ちた」は”プラス材料”になる?(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース

私自身は米国の司法試験を受験したことはありませんが、受験した知人の話とか、記事になっているものを読むと、試験に向けた知識の詰め込み的な勉強がかなり必要なようで、そのために専門の予備校を利用するのが一般的な勉強法のようです。

私がかつて受けた司法試験(旧司法試験)では、マークシート式の択一試験が、そういう勉強を要する面があって、受験生でも択一を苦手とする人も少なからずいました。択一に落ち続けていて、択一さえ合格できればその後の論文試験は合格するだろうと言われていた人がいたのも思い出されます。

小室氏の場合、ネイティブではないのでどうしても言語面でのハンディはあるでしょうし、これまでは、勉強に集中する上で阻害要因が多かった面も多分にあるでしょう。雑音が多い日本から米国へ脱出して、集中的に勉強し、次回の司法試験では合格してほしいものです。

司法試験といっても、私は日本の旧司法試験、小室氏は米国の司法試験と試験が違いますが、司法試験受験生という点では、何となく同じ戦場で苦労した「戦友」のような思いがしており、今後も応援したいと思います。

 

改憲に「前向き」3分の2超…議論進展は見通せず

改憲に「前向き」3分の2超…議論進展は見通せず(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

先の通常国会では、改憲国民投票の利便性を高める改正国民投票法が成立し、国民投票に向けた環境整備は進んだ。具体的な改憲項目を巡っては、改憲に前向きな政党間でも隔たりがある。

改憲か護憲か、といった、硬直化した争いを行なっている場合ではなく、議論を実質化していくべきでしょう。

例えば、同性婚を実現する上で、憲法が、婚姻を「両姓」により行われると規定していることが、形式的には(私は実質的に見て憲法同性婚を認めない趣旨ではないと考えていますが)マイナスに作用する要素を持っています。また、環境権のような新しい人権を憲法で読み込んでいくべきという議論もあるでしょう。改憲、即、後ろ向きというものではありません。

国会だけでの議論でなく、憲法の各条項について、変えるならどう変えるべきなのか、新たに新設すべきものはないか、国民的な議論を広げていく必要があり、それを踏まえての国会での議論になっていくべきだと感じます。

議論の広がり、実質化、活性化が今後の大きな課題でしょう。

みんなが知らない「自転車ヘルメット」のルール 法律があるのに10年超も浸透せず〈dot.〉

みんなが知らない「自転車ヘルメット」のルール 法律があるのに10年超も浸透せず〈dot.〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

 NPO自転車活用推進研究会の小林成基理事長はこう話す。 「自転車死亡事故の6割は頭部損傷が原因です。ヘルメットの着用で、事故の際の死亡率が大幅に下がるというデータもあり、命を守るためにヘルメットを着用する習慣がもっと普及してほしいですが、まだまだこれからというのが実情です」

最近、知人が自転車事故で亡くなったのですが、死因が頭部損傷でありヘルメットを装着していなかったようで、まだまだこれから活躍が期待される人でしたから、ヘルメットをしていれば助かったのではないかと、今でも残念でなりません。

記事によると、ヘルメットの装着率が低いレベルで止まっているとのことですが、自分自身を守り、身近な人々や仕事関係者を悲しませないためにも、自転車に乗る際はヘルメット装着を励行したいものです。

国や地方公共団体、民間で、ヘルメット装着のキャンペーンを根強く継続していくことも必要でしょう。

ナゾ雑誌「ムー」、知られざる書き手集団の素顔とネタの集め方 編集部に潜入した

ナゾ雑誌「ムー」、知られざる書き手集団の素顔とネタの集め方 編集部に潜入した(NIKKEI STYLE) - Yahoo!ニュース

UFO(未確認飛行物体)をはじめ、様々な超常現象や怪奇伝説など、謎と不思議を掘り下げる専門誌が「月刊ムー」(ワン・パブリッシング)だ。創刊から42年を数える今もぶれずに、多くのファン読者「ムー民」を引き寄せ続けている。しかし、その歴史や実態は意外に知られていない。

私は、昔からこういうジャンルの読み物が好きで、ムーも、若い頃にはたまに買って読んでいたものでした。最近はナショナルジオグラフィック日本版を購読しています。

1995年から1996年にかけて、東京地検にいて、多数のオウム真理教の信者の取調べを行った際、彼ら彼女らにはムーの愛読者が多かった記憶があります。教祖も、空中浮揚とか神秘体験とかを売り物にしていて、元々、ムーが描き出すような世界に興味関心を持つ人々がオウム真理教にも惹かれた面はあるでしょう。

私も、そういうものは嫌いではないほうだったので、取調べの合間に、ムーで取り上げられているような話題で盛り上がったこともありました。

類書のない、ユニークな雑誌ですから、これからも末長く頑張ってほしいと思います。

ダイソンのドライヤー盗難に悩むホテル-本当はやりたくないんですが・・・

ダイソンのドライヤー盗難に悩むホテル-本当はやりたくないんですが・・・(瀧澤信秋) - 個人 - Yahoo!ニュース

ホテル、旅という非日常かつポジティブな場所にして、ゲストが身を置く場所ゆえにホテルとゲストは、性善説とも言うべきある種強い信頼関係で成り立っている。その支配人は「ホテルの雰囲気やイメージからもゲストを疑っいるような仕様は避けたいのですが・・・」と言いつつ、不本意ながら盗難防止の金具を取り付けたという。盗難防止を施すことは必須といういまのホテル事情なのか。

こういう被害については、前にも記事で読んだことがありますが、許されないのは当然で、盗まれないための対策も必要でしょう。

ただ、備品によっては、こういうものを自宅でも使ってみたいと思うものもあり、宿泊施設側でも、入手するための情報を提供するとか、オリジナルのものであればホテルのショップで販売する、といった方法も講じて欲しい気がします(ホテルのショップで売っているのは見たことがありますが)。

法による強制だけでなく、モラルへの訴え、盗難対策等、総合的な方法により、こうした被害を防いでいきたいものです。